びっくり。フォードがF1から撤退だそうです。
WRCからも。
F1におけるフォードの役割というのは非常に大きい。
どのくらい大きいかというと、最も多く優勝したエンジンはフォード(コスワース)ということからもわかります。
ここしばらくは、スチュワートというチームを買収して作ったジャガーというチームで参加していました。
ついでに(といっては何ですが)ミナルディとジョーダンというチームにエンジンを供給していました。
つまり、ミナルディとジョーダンはエンジンを変えないといけないかもしれないのです。
また、フォードは撤退しますが、現在のジャガーチームは売却するそうです。
新たに参戦するチームに人と工場ごと売り渡すということです。
だから、うまくいけば来年のチーム数は減りません。
さて、今のF1のチームについて考えてみます。
まず、チームの国籍。
フェラーリとミナルディがイタリア。ルノーはフランス。トヨタが日本。ザウバーはスイス。
ジョーダンはアイルランド。残りはみんなイギリスです。イギリスに偏ってますね。
タイヤの国籍。といっても今参戦しているのは日本のブリジストンとフランスのミシュランだけです。
エンジンの国籍。フェラーリは自分のチームとザウバーに供給しています。
ザウバーはペトロナスブランドをエンジンにつけています。これがイタリア。ペトロナスはマレーシアですが。
トヨタは自社製の、BARはホンダのエンジンを使っています。これは日本。
フォードはさっきの3チーム。これはアメリカ。
ルノーは自社製でフランス。
BMWはウィリアムズに、メルセデスはマクラーレンに供給しています。これはドイツ。
ばっと見、第二次大戦の枢軸国に偏ってます。六チームが日独伊のエンジンです。
車のメーカーがどこにあるのか、よく考えてみると、ほとんどは日本とアメリカとヨーロッパ。
ヨーロッパはドイツとイタリアとフランスとイギリス。これだけで世界のほとんどのメーカーが網羅されます。
残りは著名なメーカーは韓国やスウェーデンくらいで、ほかは名も知れないマイナーなところばかりです。
さっきの国の偏りもなんとなくわかります。
ちなみにF1はヨーロッパの色が濃いです。自動車大国たるアメリカの色は少ないです。
アメリカはアメリカで独自のレース文化をもっているため、あまりF1への興味がないらしいです。
そして、フォードの撤退で、F1からアメリカの色がほとんどなくなってしまいます。
ちなみに日本は、アメリカのトップカテゴリにもF1にも参戦してまして、しかも非常に強い。
モータースポーツは、日本の車が世界一ー、てなもんです。二輪でも四輪でも。
さて、この先F1はどうなっていくのでしょうか。新たにチームとして参戦しようとしている動きもあります。
F3000のチームが新たに参戦するといううわさも聞きますし、
ダラーラ(各カテゴリのシャシーを作っているメーカー)が参戦するとか、
ヨハンソンが新たにチームを立ち上げるとか言う話があります。
逆に、今回のフォードを初めに、資金難のジョーダンとミナルディがいつなくなるのか、という状況でもあります。
今、日本ではプロ野球の再編でえらい騒ぎですが、F1は毎年それをやってるようなものです。
ですが、ある意味これらは経済の面から見ても興味深いのです。
バブルのころ、日本資本がF1に溢れ出し、フットワーク(アロウズ)、レイトンハウス(マーチ)などのように
チームを買い取ったりしたことがありました。ほかにもブラバムもほとんど乗っ取りましたし、
コローニという弱小チームに、デザイン上ありえないことに水平対抗エンジンを乗っけたスバルも参戦してたりしました。
(水平対抗エンジンは横幅が広いため、このころにはデザイン上不利でした。)
このころはたくさんマシンが走っていて、
本戦には出し切れないので予備予選まであって予選にすら出てこれないチームまでありました。
今では最低20台のレギュレーションを守れるかどうかというところにまできています。
スポーツに参加するチームの数は、経済を映し出す鏡でもあります。
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